2014/09/13

【Japan】伊豆下田と吉田松陰

 伊豆下田の下田プリンスホテルの無料宿泊券があったので、8月初旬の猛暑の時期に、9月11日と12日に伊豆下田の海(お盆過ぎでもクラゲがでない)でシュノーケルとか海水浴でもと予約。ところが、今年の夏は例年と違い8月下旬に夏の猛暑は終わってしまい、涼しい伊豆下田の海を楽しむことになりました(笑)。

まずはレンタカーで修善寺に到着。
平日のためか人も少なく、1時間ほど修善寺の町を散策。 


 石川さゆりの歌で有名な浄蓮の滝へ移動。
川にはアマゴがたくさん泳いでいましたが、
有料の釣りサービスもあり、暑い日に一日楽しめそうな滝です。
(ちなみに、カラオケで「天城越え」は必ず歌う)




 道の駅「天城越え」で、生ワサビをおろしかつお節と醤油で食べる「ワサビ丼」を食べました。「孤独のグルメ」で井ノ頭五郎が食べていた店は河津町にありますが、今まで「吉田類の酒場放浪記」などで紹介された店を訪ねてガッカリすることが多かったので、今回は普通の道の駅の食堂で食べました。
 シンプルだけど美味しいワサビ丼は自宅でも食べたいとおみやげにワサビと茎を購入。茎はさっと茹でて三杯酢で漬け込む予定。



 下田の街に到着したので、スーパーマーケットに入ってみました。どこの国に行っても、その街のマルシェ(市場)やスーパーマーケットに行く習慣があり、今回も売っているものや値段をチェック。さすがに金目鯛は中のサイズが1匹まるごと1,480円と安い。渋谷市場だと3,000円以上のサイズです。
 さて、ホテルに到着し、プライベートビーチに出てみましたが、外人家族が2組海辺にいて、遠くにダイヤモンドヘッドのような小さな半島があり、まるでワイキキビーチ(笑)。
  一応、シュノーケルの道具なども持参したのですが、波で砂が舞っていたので、ビーチでゴロゴロするだけにしました。波の音を聞きながらゆっくりするのも心地よいものです。



 夕食は下田の街で居酒屋に入りましたが、金目鯛の煮付け、生桜えびなど地元の料理を注文。どうやら観光客相手の店のだったようで刺身はイマイチでした。もう少し路地裏とか探すべきだったと思いましたが、長時間の運転で疲れており、近場で妥協してしまいました。


 その日は満月の光が海辺に反射し見事な情景。スマホで撮ったので雰囲気は伝わりにくいですが、満月の薄明かりと波の音、昼間とは違う心地よさです。

翌朝も朝食を済ませ海辺でゴロゴロ。


 黒船の遊覧船に乗り、解説を聞いていたら吉田松陰がアメリカに行こうと小舟を漕ぎだした弁天島が湾内にあることを知りました。吉田松陰は最初は横浜から黒船に乗りアメリカに行こうとしたらしいのですが、うまく行かず下田から再挑戦しました。下田で1週間ほど身を隠していた家が再現されていたので、さっそく訪ねてみました。

 匿った医者 村山行馬郎邸(吉田松陰寓寄処)です。


 この近辺は温泉が自然に出たらしく風呂は温泉。熱いお湯なので右側にお湯を注ぎ真ん中の板で仕切り、板の下部の隙間から冷めたお湯が左に移る仕組みですが、施工業者が再現するとき、上面からお湯が移動すると勘違いしてしまったとのこと。


2階の小部屋が身を隠していた部屋で、
当時は窓の外に木が茂っており、
隠れやすかったとのこと。

漢文の嘆願書を書く吉田松陰。



 この弁天島から黒船ポーハタン号(最初は弁天島から一番近いミシシッピー号に着いたが、漢文の嘆願書が読める通訳がいるポーハタン号に移動)に漕ぎつけて便乗を懇請したが断られ、自首した吉田松陰ですが、これが無事乗船できたら、アメリカに渡り、帰国したら大学でも作ったのでしょうか。。
 密航に失敗したことで、その志は9年後の「長州ファイブ」 に受け継がれたが、吉田松陰は自首した段階で弟子たちが受け継ぐことは予測しており、自分自身が渡米し完結してしまうより発展するだろうと考えた。。。とも思いましたが、単に純粋さ故の行動だったのでしょうね。


 西伊豆の田子地区ではカツオを塩付けにして乾燥させた潮カツオという正月料理があります。新潟の村上の塩引鮭と似たような作り方ですが、お茶漬けにしたり、うどんやパスタにして食べます。今回は西伊豆の堂ヶ島(田子漁港)に立ち寄り、名物の潮うどんを食べて帰りました。

 今回の旅は、偶然、吉田松陰のStart upの最終行動に触れることができたのは有意義でした。調べてみると吉田松陰の密航から自首という行動は陽明学の「知行合一」から来ているという説もあります。

 いずにしても純粋な人だったのでしょうね。

2014/07/29

【Japan】長野では小中学校の登山コース 霧ヶ峰と蓼科山

 梅雨が明け夏が本格化すると2か月ほど寝不足の日が続き、疲れが溜まります。熟睡と爽快感を求め7月27日、28日と霧ヶ峰(車山)と蓼科山に行って来ました。

 朝7時に東京を経ち、午前10時ころから車山周辺を歩く予定でしたが、中央道の事故渋滞で1時間ほど遅れコロボックルヒュッテの駐車場に到着です。ところが、駐車場に着いた途端に激しい雨。車の中でコンビニ弁当を食べて雨が止むのを待ちましたが、ハイキング途中の人たちはずぶ濡れです。


 30分ほどで雨は納まりましたが、もう昼になるので車山周辺を1周する5時間ほどのコースは中止。とりあえず八島湿原まで車で移動し、1時間半ほどで1周するコースを選択。

雨上がりで湿気がすごくまさに湿地帯。

正面の車山の頂上には気象庁の観測所。

八島湿原からコロボックルヒュッテに戻り車山頂上を目指します。

頂上には八島湿原から眺めた気象庁の観測所。

車山山頂からの景色はWindowsXPのようです(笑)


 素泊まり宿にチェックインし、白樺湖畔の「すずらんの湯」で疲れを癒します(白樺湖に写る夕日と釣り人)。湖畔の蕎麦屋で夕食を済ませ、翌日のために早めに就寝。


 蓼科山は標高2,530mで、ワイフが1年ぶりのトレッキングなので、なるべく楽なコースを選ぼうと「蓼科山七合目からのコース」を選択。このコースは小中学校の学校登山でも利用されるコースとのこと…

 敷き詰められたように苔が一面を覆う緩やかな山道を歩きます。

しばらくすると石がゴロゴロの急な山道へ。

1時間10分で到着する予定の将軍平の山小屋蓼科荘へ到着。
(ここまで2時間)


 ここからがさらに急な岩場の山道。両手両足で這うように登るのですが、「小中学校の学校登山コース」ということが信じられない…別の団体のおじさんも「辛い、リーダーを恨む!」とぼやきながら登っていました(笑)

 40分の予定が1時間で山頂ヒュッテに到着。
この山小屋は個室も完備しているようです。

 岩がゴロゴロの広い山頂から車山と白樺湖の眺望。
気分爽快!!

遠くは茅野市?


 霧や雲がなければ南八ヶ岳の峰々、南アルプス、中央アルプス、乗鞍、浅間連山と、360°の大展望が可能な山頂です。
 将軍平の蓼科荘で昼食をとり、アイスクリームと豚汁、コーンスープなどをいただきゆっくりと休憩。七合目に到着したのは午後3時前だったので、3時間のコースを5時間半かかった訳です。しかも、今まで登った中で最も急な山道。小中学校の学校登山コースとありましたが、長野の小中学生は逞しい(笑)

2日目の温泉「小斉の湯」にむかう途中の南八ヶ岳の峰々。
見事な快晴で、八ヶ岳が迫ってくるようでした。


 小斉の湯の眺めのよい露天風呂が最高!!
 最後の帰り道で南八ヶ岳の峰々が見送りしてくれました。360°の峰々は長野県ならではの景色ですね。

2014/07/23

【Japan】南青山4丁目のフロリレージュ

 数年前に訪れた南青山のBARで、4丁目にフロリージュという評判のフレンチレストランがあるという情報を仕入れ、6月の結婚記念日に訪れてみようということになりました。フレンチレストランは2012年に広尾のひらまつ(ひらまつ広尾の鴨フォアグラのキャベツ包み)に行って以来2年ぶり。

場所は分かりにくい住宅街の中、鏡の看板
(場所は分かりにくい住宅街の中、鏡の看板)

 サイトで価格など確認すると、とてもリーズナブルでシェフの川手寛康さんは、白金台のカンテサンス(白金時代のカンテサンス)、西麻布のル・ブルギニオン(久しぶりのフレンチ ル・ブルギニオンの元シェフということで味も心配なさそうだと、6月初旬の結婚記念日に合わせ524日に予約したら、ほぼ2か月先までいっぱい。予約可能な2か月以内ギリギリの昨日(722日)訪問することができました。

 料理はお任せコース、さらにワインもソムリエが料理に合わせるお任せコースを選びました。


 まずは、乾杯のシャンパーニュ!Laherte Freres ラエルト・フレール。
久々のシャンパーニュなので余計に美味しく感じたのかもしれないけど、バランスの良いなかなかのものでした。ネットで検索すると、今注目のメゾンだそうです。お安いしお買い得。ショップで探してみよう。


 アミューズブーシュは、えんどうまめのフリット。中にはミルキーな風味のマッシュされたマメが入っていました。周りのエンドウマメは火が通っていないので、食べれません。飾りです。


 2つ目のアミューズブーシュは、四角いオリーブオイルという名前だったような・・・甘くないフレンチトーストをオリーブオイルで焼き上げたようなかわいいおまけ。


 パンは、食べるとどんどん種類の違うものが追加されます。つい食べ過ぎてしまう・・・これも変わった形で面白いですね。


 季節の前菜は、牡蠣。手前のサラダにはマヨネーズ風のドレッシングが液体窒素で固められていて、崩して一緒に食べます。その隣には、牡蠣を野菜で囲み焼いたものと液体窒素で固めたレモン汁。見た目と触感の面白さを狙っているのでしょうね。しかしお味は・・・何とも表現し難い。
 奥には、牡蠣の殻に牡蠣とミルク風味の泡の暖かいスープが入っています。一皿で熱い&冷たいのコントラストを楽しんで欲しいとのこと。


 白ワイン。ローヌ地方のDomaine
Georges Vernay ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネで100%ヴィオニエ。牡蠣と合わせると苦味が強調される気がしました。 


  フォアグラの前菜。フォアグラはとろけるような焼き加減。そして横に2つ添えてあるソフトクリームのようなものがへーゼルナッツのクリームをサクサクのメレンゲにしたもの。フォアグラを口にしたら、すかさずメレンゲを手にとってサクッと食べて欲しいとのこと。この一皿でトロトロとサクサクの食感のコントラスト。先程の熱い冷たいというものとのコラボ。遊び感覚が多いのは結構だけど、味わいは?となると微妙。フォアグラは本当にトロトロで美味しかったです。単品で充分だったかも。


 フォアグラに合わせたのが、ギリシャ産の甘口酒精強化ワイン。酸味がもう少しあるととても良いですね。ギリシャ産は初めて。


 魚料理は、マナカツオとイカスミ・ライムソース添え。イカスミの中の枝豆とイカの角切りとの食感と魚のソフトな焼き加減を口の中で会わせるとボリューミーで濃厚ですが、奥にある透明のライムに付けて口に含むと、とても爽快な味わいに変化します。ライムの存在がとても良かったです。


 魚料理にはブルゴーニュのムルソー。最初は硬くて香りも少なかったけど、時間がたつにつれて深みが増してきました。


 肉料理。鳩のモモ焼きとごぼう。コロコロとしている赤いものは、赤ワインベースのソースを乾燥させたもの。鳩は旨みの濃い美味しさでしたが、バサバサしたソースの味のするものを一緒に口に入れるとボソボソしてしまい、鳩の旨みを舌で感じ取れなくなってしまいます。意外性が面白いかもしれないけど、ソースの方が食べやすいのでは?ごぼうもひげ状のものをスティックごぼうに巻き込んで焼いてあるけど、ひげ状のものがナイフで切り難く、食べるのに難儀しました。


 鳩にはボルドー・コートドゥブールのドメーヌ・ドゥ・カンブでメルロー主体。タンニンがしっかりあるけど樽香とチョコレート香のするなかなか飲みやすいワイン。


 肉料理は2皿といわれていたので、きっとこれが2皿目。鳩の砂肝と心臓のプチ串焼きと鳩で出汁を取った熱いスープ。熱いものをワイングラスのようなもので頂くのは初めて。さすがに割れにくい厚手のグラス。出汁がよく出たスープでした。


 最後のワインは南フランスのGIGONDASジゴンダスのドメーヌブリュセ。グルナッシュ主体。濃い紫色のしっかりした味わい。鳩やごぼうには合いますね。


 フルーツのデザート。パッションフルーツのミルクセーキみたいなムースをストローで頂く。種がバリバリ、美味しかったです。


 チョコレートのデザート。アツアツのチョコレートのオムレツ。外側のチョコ皮をスプーンでカットすると中からアツアツのチョコレートソースがトロリ。コーヒー風味の泡がアクセント。


 エスプレッソコーヒーにチェリーの飴ソース。チェリーの甘酸っぱさが食事の最後にお口をさっぱりさせてくれました。
 
 これらのコース料理を食べた感想は、「料理って本当に難しいなぁ…」でした。

 この日の客層は、我々以外20代~30代前半の若者ばかり。コース料理の金額も安いし、若い人たちの創作フレンチ入門編として良いかも。
 奇をてらうのは悪くないけど、食事として舌に乗せたときの味わいや食感も大切。カンテサンスの岸田周三さんの師匠の師匠本家パリのアルページュ(パリ・ブルゴーニュ、そしてアンマン・死海(前編))も焼き加減の最高さは当たり前として、別々なできあがりのものを一緒に口に入れて噛みしめたときのマリアージュ(一皿づつとコース全体の調和)が大変面白く、食感も味わいも計算された完璧な美味しさ。。
 あの舌に乗せたときの感動はなかなか経験できません。。

 アルページュの流れも引いているレストランなのだから、見た目面白い!というよりも、深い味わいを出す旨い食べ物の話題で盛り上がりたい。見た目の面白さは一度見たらお終い。旨さは、何度でも味わいたくなるものです。
 
 たまにしかいかないフレンチレストランはどうしても辛口になってしまいますね ^^;